
東日本大震災から15年。あのおぞましい津波は、数多くの尊い命を奪っていきました。人だけではなく、一緒に暮らす犬や猫などのペットたちの命もまた奪われました。静岡県で暮らす私たちにとって、災害は決して遠い場所の話ではありません。とくに牧之原市、吉田町、御前崎市のような海沿いの地域では、南海トラフ巨大地震が起きた時、揺れのあとに来る津波からどう逃げるかが命を分けます。
ペットメモリアル ドマーニは牧之原市を拠点に、吉田町や御前崎市などでもペットのお見送りに携わっています。命と向き合う仕事をしているからこそ、何気ない毎日が当たり前ではないことを強く感じます。そして私自身、昔は消防団で活動し、防災では「助けたい」という思いが二次災害につながらないようにする大切さも学んできました。だからこそ災害時には、感情だけで動くのではなく、平時の備えによって迷わず行動できることが大切だと思っています。
まず大切なのは、ペットを置いていかず一緒に逃げることです
災害時のペット避難で、まず大切なのは「ペットを危険な場所に残さず、一緒に避難すること」です。環境省も、災害時には飼い主がペットを連れて安全な場所へ逃げる「同行避難」を基本として案内しています。
ただし、その先の避難所生活は別の話です。避難所では、動物が苦手な方やアレルギーのある方への配慮も必要になるため、人とペットが同じ場所で過ごせるとは限りません。静岡県のガイドラインでも、避難所では人の居住スペースと離してペットの飼養場所を確保する考え方が示されています。つまり、まずは一緒に逃げることが重要で、その後どのように受け入れられるかは避難所ごとに違う、ということです。
吉田町はこの点を比較的はっきり案内しており、ペットとの避難について、避難所での過ごし方や受入れ条件は一律ではないことを住民向けに示しています。御前崎市でも、県の案内では白羽小学校でペットとの同行避難訓練が行われたことが確認できます。一方で、牧之原市は少なくとも市ホームページ上では、ペットとの避難について個別に分かりやすく確認できる情報が見つけにくい状況でした。だからこそ、「避難所なら当然一緒に過ごせるだろう」と思い込まず、自分の地域ではどうなっているかを平時のうちに確かめておくことが大切です。
迷わず逃げるために、普段から備えておきたいこと
いざという時に大切なのは、戻らなくて済むことです。ペットを探しに戻る、荷物を取りに戻る、様子を見に戻る。そうした行動は、津波や倒壊、余震などの危険の中では二次災害につながりかねません。だからこそ、普段から避難を現実のものとして準備しておく必要があります。
その備えの一つが、クレートやキャリーバッグに慣れておくことです。災害時は犬も猫も強い不安を感じます。普段は抱っこできる子でも、揺れや物音、周囲の混乱で思うようにいかなくなることがあります。クレートは閉じ込めるためのものではなく、その子を安全に運ぶための大切な備えです。また、首輪、迷子札、マイクロチップなど、身元が分かる準備も欠かせません。環境省や静岡県は、普段からの健康管理、ワクチン接種、ノミダニ予防、基本的なしつけも含めて備えておくことを勧めています。
飼い主さんの命があってこそ、ペットの命も守れます
大切な家族だからこそ、「この子を守らなければ」と思うのは当然です。ですが、本当に守るためには、まず飼い主さん自身が無事でいなければなりません。静岡県も、災害時にペットを守るためには、まず飼い主が無事でいることが大切だと案内しています。
東日本大震災から15年という節目は、過去を振り返る日であると同時に、これからを守るための日でもあると思います。牧之原市、吉田町、御前崎市のような地域でペットと暮らしているからこそ、「まずは一緒に逃げること」、そして「その後の受入れは地域によって違うので、前もって確認しておくこと」を、ご家族で一度話し合ってみてください。
ペットメモリアル ドマーニが願うのは、悲しいお別れを増やさないことです。備えは不安のためではなく、これからも大切な家族と穏やかに暮らしていくためのものです。もしもの時に後悔しないために、今日できることから少しずつ整えていただけたらと思います。


