
ご火葬中、ご家族様から「この仕事は慣れますか?」と聞かれることがあります。
ペット火葬の仕事をしていると、普段の生活ではあまり目にすることのない場面に立ち会います。亡くなったペットちゃんに触れることもありますし、火葬中の様子や火葬後のお骨などは常に見ています。
そうした仕事をしているからなのか、「怖くないですか」「つらくならないですか」と聞かれることもあります。
この仕事には、慣れることと、なかなか慣れないことがあります。
仕事として慣れていくこと
正直に言えば、物理的なことには慣れていきます。
亡くなってから時間が経っている場合もありますし、病気や事故などによって体の状態が変わっていることもあります。
以前、迷子になってしまい、ご家族様が探し続け、ようやく見つかった時には白骨化していた子をお預かりしたこともありました。
ペット火葬の仕事をしていると、こうした普段の生活ではまず目にすることのない状態のペットちゃんをお預かりすることもあります。
最初の頃であれば驚いたようなことでも、経験を重ねるうちに、目にすること自体には少しずつ慣れていきます。どのような状態であっても、落ち着いて対応しなければ仕事になりません。
火葬についても、体の大きさや体格、年齢、亡くなられてからの状態などによって火の入り方は変わります。火葬炉の扱い方や火力の調整なども、経験を重ねることで少しずつ身についていきます。
こうした部分は、この仕事を続けていく以上、慣れていかなければならないことだと思っています。

目にするものには慣れても、その背景には慣れない
先ほどの迷子になっていた子も、白骨化しているという状態そのものは、仕事として受け止めることができます。
しかし、その子がそこに至るまでのことを考えると、まったく違います。
どこへ行ってしまったのか分からないまま探し続け、もしかしたらどこかで生きているのではないかと思いながら過ごした時間があったはずです。そして、ようやく見つけることができた時、ご家族様がどんな気持ちだったのか。
そういったことまで考えると、単に「こういうことにも慣れました」とは言えません。
目に入るものには慣れていきます。しかし、その子がそこに至るまでに何があったのか、ご家族様がどんな思いでその日を迎えたのかというところまで、慣れてしまうことはありません。
ペットちゃんの話を聞く時間
火葬の前や、火葬が終わるまでの時間に、その子のことを話してくださるご家族様は少なくありません。
家に迎えた時のこと、小さかった頃のこと、好きだった食べ物、散歩のこと、ちょっと困った癖や、家族だけが知っている性格など、いろいろなお話を聞かせていただきます。
楽しかった思い出を話しているうちに笑顔になる方もいれば、病気になってからのことや亡くなる前のことを話しながら、涙を流される方もいらっしゃいます。
もっと何かしてあげられたのではないか、あの時の判断でよかったのだろうか。そんな気持ちを話してくださることもあります。
長くお話をされる方もいれば、ほんの少しだけ話される方もいます。それでも、お話を聞いているうちに、その子がどんな子だったのかが少しずつ伝わってくることがあります。
私にとっては、その日に初めて会ったペットちゃんです。しかし、ご家族様にとっては、何年も、十何年も一緒に暮らしてきた大切な家族です。
その時間のほんの一部分を聞かせていただくだけでも、胸が締め付けられることがあります。時には、涙がこぼれそうになることもあります。
私には仕事でも、ご家族様には一度きりのお別れ
ペット火葬は私にとって仕事です。一日に複数の火葬をさせていただく日もありますし、これまでにも多くのペットちゃんのお見送りをお手伝いしてきました。
しかし、ご家族様にとって、その子とのお別れは一度きりです。
私が何百件の火葬を経験したとしても、そのご家族様がその子と過ごしてきた時間を知っているわけではありません。
同じ犬種でも、同じ猫種でも、同じくらいの年齢でも、その子とご家族様が過ごしてきた時間はそれぞれ違います。
家に迎えたきっかけも、好きだったものも、いつも寝ていた場所も違います。元気だった頃の思い出も、病気になってから過ごした時間も、それぞれのご家族様にしか分からないものがあります。
火葬という仕事だけを見れば、似たような場面はあります。しかし、その子とご家族様とのお別れまで同じということはありません。

慣れなければならないことと、慣れないこと
この仕事を続けていくためには、慣れなければならないことがあります。
ご遺体に触れることも、さまざまな状態のペットちゃんを見ることも、火葬を行うことも、落ち着いて対応できなければ仕事になりません。
そういう意味では、経験を重ねることで慣れていくことはたくさんあります。
一方で、ご家族様からその子のことを聞いて、何も感じなくなるようなことはありません。
「この仕事は慣れますか?」と聞かれたら、物理的なことや、仕事として必要なことには慣れていきます、と答えると思います。
しかし、ご家族様が大切なペットちゃんを亡くした気持ちまで、慣れて受け流すようなことはできません。
目にするものや、仕事としての作業には慣れていく。それでも、ご家族様の話を聞けば心が締め付けられることがあります。
仕事として慣れていくことはあっても、ご家族様の悲しみまで慣れて受け流していくことはできそうにありません。
静岡県牧之原市を拠点に訪問ペット火葬を行っているペットメモリアル ドマーニでは、ご家族様とペットちゃんとのお別れのお手伝いをしています。
火葬の前後には、その子のことをお話ししてくださるご家族様もいらっしゃいます。家に来た日のこと、好きだったこと、少し困った癖、病気になってからのことなど、話したいことがあれば聞かせていただければと思います。
お別れの時にどのような気持ちになるのかも、ご家族様によってそれぞれです。
これからも、ご家族様からペットちゃんのお話を伺いながら、そのお気持ちに少しでも寄り添えるお見送りのお手伝いができればと思っています。
ペットちゃんとのお別れや、その後のご供養について分からないことがありましたら、お気兼ねなくご相談ください。


