
ペットちゃんとの暮らしの中で、お別れの場面を具体的に考えることはあまりないのではないでしょうか。通院が続いていたり、余命を伝えられていたとしても、どこかで「もう少し一緒にいられるはずだ」と思いながら過ごすことは自然なことです。いざその時が訪れると、気持ちが大きく揺れ、落ち着いて判断するのが難しくなる場合があります。急な体調の変化で、お別れが思っていたより早く訪れることもあります。
そのような状況の中で、「お別れをどこにお願いするのか」「どう送りたいのか」を決めていく必要が出てきます。落ち着かないまま業者を探し始めるご家族も多く、何を基準に選べばよいのか迷いやすい場面でもあります。このコラムでは、そのようなときでも少しずつ整理できるように、選ぶ際の確認ポイントを順番に見ていきます。
インターネット検索で探すときのこと

以前は電話帳を開いたり、知人からの紹介で業者を探すことが一般的でしたが、今は多くの方がインターネット検索で情報を集めています。「ペット火葬」「ペット葬儀」に地域名を組み合わせて検索すると、想像していた以上の数の業者が表示されることもあります。
検索結果の上部には、多くの検索サービスが設けている広告枠(スポンサー枠)が表示されることがあります。業者が広告費を支払って掲載される枠で、通常の検索順位とは別に表示される仕組みです。
このスポンサー枠はさまざまな業種で利用されている一般的な広告方法です。ただ以前、車のレッカー業者がスポンサー枠を利用し、多くの方の目に留まるよう表示して、表示価格とは異なる高額な請求をする詐欺事案が問題になった例もあります。こうした出来事が知られているため、スポンサー表示に慎重な見方をする方も一定数います。
とはいえ、スポンサー枠そのものが悪いわけではありません。誠実に運営している業者も広告として利用しているため、スポンサー枠の有無だけで良し悪しを判断することはできません。
インターネット検索は短時間で多くの情報にアクセスできる反面、上位に表示されているからといって必ずしも安心とは限らず、便利である一方で、「どこを基準に選べばよいのかが分かりにくい」という面もあります。このあとの項目では、お別れの場所やお別れの方法、遺骨の扱いなど、選ぶ際に確認しておきたい点を順番に見ていきます。
お別れの場所を選ぶ
人の場合は、法律により火葬場で火葬を行うことが決まっていますが、ペットの場合は、自宅や指定場所に来てもらう訪問火葬と、火葬場でのお別れのどちらを選ぶかを考える必要があります。
ペット用の火葬場は、自治体が設置している地域もあれば、民間の企業が運営している施設があるなど、地域によって状況が異なります。どれも同じように利用できるわけではないため、まずは自分の住んでいる地域でどんな選択肢があるのかを把握しておくことが大切です。
どちらが優れているというわけではなく、ご家族が落ち着いて向き合える場所かどうかが重要になります。ここでは、訪問火葬と火葬場でのお別れ、それぞれの特徴を順番に見ていきます。
訪問火葬(火葬車)

訪問火葬は、火葬炉を備えた専用車両が自宅や指定場所に訪れ、その場でお別れを進める方法です。自宅を離れられない事情がある場合や、慣れた環境で送りたいと考えるご家族に選ばれることが多く、次のような理由で希望されることがあります。
・大勢のご家族で立ち会いたいとき
・住み慣れた家や思い出の場所から送り出したいとき
・慣れた環境のほうが気持ちを落ち着けやすいとき
火葬車の外観は業者によって異なり、火葬炉の周りに造花を飾りつけし、小さな祭壇のように整えている車両もあります。そうした演出を望む方もいれば、できるだけ控えめな見た目を希望する方もいるため、事前に車両の写真を確認しておくと安心です。また、火葬車はある程度のスペースが必要になるため、自宅周辺の状況や停め方については、事前に相談しておくと当日の流れがスムーズになります。
訪問火葬はご家族の暮らしに近い場所でお別れができる方法ですが、環境によってはいくつか注意点があります。火葬車によっては発電機を使って火葬炉を動かすため、その稼働音が周囲に聞こえることがあります。昼間であれば大きな問題になりにくいものの、夜間の住宅街では音量に気を遣う必要があります。火葬炉は煙が出にくい構造ですが、体格や状態によっては煙が上がる場合があり《※詳しい仕組みはコラム「火葬炉の煙と匂い実ついて」》、風向きによって気になることもあります。また、屋外で行うため、雨や風が強い日はご家族と相談のうえ、お時間やお日取りを調整することがあります。
自分は、どの場所が落ち着いてお別れできるかを考えながら、次に紹介する火葬場でのお別れと比較して決めていくことが大切です。
火葬場

ペットちゃんとのお別れには、自宅で送りたいご家族もいれば、火葬場でお別れに向き合いたいと考えるご家族もいます。火葬場といっても地域によって形はさまざまで、自治体が運営する設備、民間企業が持つ施設などがあります。どれが優れているというわけではなく、地域の状況やご家族の考え方によって選択が変わります。
施設によっては、待合室と火葬炉が同じ建物内にあり、雨や風の影響を受けにくい造りになっているところもあります。屋内に設備がまとまっている分、天候を気にせず過ごしやすい場合があります。また、日常とは違う場所に身を置くことで気持ちが切り替わり、「その場だからこそ向き合えた」と感じるご家族もいます。
施設の造りや運用は場所によって異なります。ペット用の火葬設備を持たない自治体もあり、民間施設が遠い地域では移動の負担が大きくなることがあります。注意しなければならないのが、自治体の火葬場の場合住民しか利用できなかったり、住民ではない場合住民と違う利用料金が発生したりする場合があることです。また、施設によっては他のご家族と時間が重なることがあり、できるだけ静かに過ごしたい場合には事前確認が役立ちます。
火葬場でのお別れにはこのような特徴があります。どの場所を選ぶかは、ご家族がお別れの日をどう過ごしたいかによって変わります。次に、お別れの形式としてよく選ばれる個別火葬や合同火葬について整理していきます。
火葬の形式

個別火葬
個別火葬は、一体ずつ火葬を行い、遺骨を受け取る方法です。遺骨を手元に置きたい場合や、後日納骨先を選びたい場合に向いています。費用は比較的高くなる傾向がありますが、返骨後の供養方法を家族で決めることができるため、選択できる内容が広くなります。業者によっては返骨を行わず、火葬後に指定の場所へ埋葬するプランを用意しているところもあり、返骨の有無によってその後の流れが変わります。この点は申し込み前に確認しておくと分かりやすくなります。
合同火葬
合同火葬は、複数のペットちゃんをまとめて火葬し、遺骨を返さない方法です。人の火葬とは異なり、ペットならではの形式として広く利用されています。費用は比較的抑えられる傾向があります。遺骨を手元に残すことができないため、自宅で供養を続けたい場合や、後から納骨先を検討したい場合には選ぶことができません。合同火葬では、遺骨がどこに埋葬されるかが業者によって異なるため、事前に案内を受けておくとその後の流れが把握しやすくなります。
どちらを選ぶかは、遺骨を手元に置きたいかどうかが大きな判断材料になります。この点が決まると、選ぶべき業者やプランが自然に絞られていきます。
プラン

火葬のプランは、業者によって名称は違いますが、内容で見ると次の三つに分かれます。合同火葬では返骨を行わない進め方のため、これらのようなプラン分け自体を設けていない業者が多く、個別火葬との大きな違いになります。
それぞれの特徴は次のとおりです。
・立会・収骨ができるプラン
火葬前に見送りを行い、火葬後の収骨を家族が行います。返骨が前提となります。
・収骨を任せるプラン
火葬前に見送りを行い、火葬後の収骨は業者が行います。遺骨は骨つぼに入った状態で返されます。立ち会いが難しい場合に選ばれています。
・埋葬まで行うプラン
返骨がなく、火葬後の埋葬まで任せる進め方です。手元供養を考えていないご家族にとって、この選択肢がない業者では火葬後の遺骨に困るため、業者選びの判断材料の一つになります。
プランは「どのような流れで送りたいか」を決める土台になる部分です。名称だけでは内容が判断しづらいことがあるため、どこまで任せられるプランなのか、どこまで自分たちの手で行うことができるのかを事前に確認することが必要です。
料金体系

火葬の料金は、選ぶプランと体格によって大きく変わります。料金区分の方法は業者によって異なり、どの条件で費用が変わるのかが明確に案内されているかどうかは、業者選びの大きな指標になります。
料金区分には次のような方法があります。
・体重による区分
・種類による区分
・時間帯や距離による加算
体重で区分する業者が多く見られますが、種類別料金を採用している業者もあります。例えばミニチュアダックスフントのように体は小さいが、マズル(鼻)が長い種類ですと、使用する骨つぼの大きさが変わる場合があります。一般的な小型犬用の骨つぼでは収まりにくく、大きい骨つぼを使う必要があるため、専用の区分を設けている業者があります。このような種類別区分を採用している業者では、同じ体重でも料金が異なることがあるため、どの区分に当てはまるのかを事前に確認しておくことが必要です。
また訪問火葬では、移動距離に応じて出張費が加わる場合がありますし、夜間や早朝の依頼では、時間帯による加算が設定されていることがあります。
火葬場を利用する地域では、自治体ごとに利用条件や料金の分け方が異なり、住民とそれ以外で費用が分かれる地域があります。事前に確認することで、当日の流れや費用の見通しを立てやすくなります。
料金の案内は業者によって分かりやすさに差があります。体重や種類の区分がどのように決まるのか、加算の条件が明記されているか、プランごとの違いと料金の関係が整理されているかを確認しておくことで、依頼後に費用面で迷う場面を避けやすくなります。案内が少ない場合や、条件の書き方が複雑で分かりにくい場合は、必要な費用を把握しづらくなることがあります。情報のまとまり方によって読み手が分かりにくさを感じることがあり、実際の依頼前に確認しておきたい部分です。料金の説明が丁寧にまとめられているかどうかは、業者を選ぶうえで大きな判断材料になります。
口コミ・アンケートの見方

口コミやアンケートは、実際に利用した人の感想として参考になりますが、書かれている内容は投稿者の感じ方によるものです。評価の数字だけではなく、どのような場面について書かれているのかを確認しながら読み進めると、その業者の特徴が把握しやすくなります。
口コミが掲載されている主な場所は次のとおりです。
・Googleマップ
・ペット葬儀マップ
・ペット葬儀・霊園ネット
ブログなどで業者情報をまとめている人もいますが、個人の体験ではなく公式情報を整理した形式の場合が多く、口コミとは性質が異なります。
一方で、知人や周囲の人から直接聞く紹介は、ネットの文章とは受け取る情報の質が異なります。実際に依頼した人が、当日の流れや担当者の様子をそのまま伝えることが多く、具体的な印象を把握しやすくなります。火葬の進め方や当日の雰囲気など、ホームページだけでは分かりにくい部分を知る手がかりになることがあります。また、直接の紹介は文章ではなく口頭で伝わるため、解釈の差が生まれにくく、体験した人の言葉として受け取ることで信頼性の高い情報です。
口コミやアンケートはそれぞれの主観に基づくため、複数の意見を読み比べながら、自分と考えの近い人の感想を探すことが判断の助けになります。ひとつの意見に偏らず、複数の情報を組み合わせて確認することが大切です。
問い合わせ時の印象

問い合わせは業者との最初の接点になります。電話では声の調子や話し方がそのまま伝わり、質問への答え方や説明の順序からその業者がどのように案内しているかが分かり、そのときに受け取る印象が選ぶ判断の助けになります。
電話が負担になる場合は、メールやLINE、SNSのメッセージを使う方法があります。文章で進めるため内容を整理しながら質問できますが、回答が遅くなることがあります。LINEやSNSのメッセージは対応していない業者もあるため、どの連絡手段が利用できるかを確認する必要があります。
どの手段でも、必要な情報が分かりやすく案内されているかが確認のポイントになります。火葬が可能な時間帯、訪問できる地域、費用、などが整理されて伝えられているかを見ながら、説明の中に不安を大きくする言い回しがないかも確認しておくと判断しやすくなります。
事前相談について
事前相談は、当日の流れを落ち着いて進めるために役立つ方法です。多くのご家族は、ペットが亡くなってから火葬を考え始めますが、急な出来事の中で業者を探すことになり、十分に比較できないまま決める場面が生まれます。この状況が続くと、希望する進め方と合わない業者を選んでしまうことがあり、結果として負担が大きくなることがあります。
ペットちゃんが元気なうちに、もしもの時のことを考えておくということは、判断を落ち着いて行うために非常に大切です。火葬が可能な時間帯、訪問できる地域、火葬の形式、遺骨の扱い、必要な費用などを事前に確認しておくことで、選択肢を理解したうえで準備ができます。亡くなった後に急いで選ぶ場合と比べて、判断の幅が広がります。人の葬儀でも事前相談が行われているように、あらかじめ流れを知っておくことは、ペットちゃんの火葬でも同じように役立ちます。
事前相談では、業者がどのように案内しているかも確認できます。必要な情報が整理されて提示してくれるか、説明が分かりやすいかなど、業者選びの判断材料になる部分を事前に把握できます。事前相談に前向きでない業者の場合は、慎重に判断する必要があります。
火葬や、葬儀について考えるタイミングを、亡くなってからではなく、その前に少しだけ向けてもらえるようにすることが今後の課題です。ペット火葬を正しく理解してもらうためには、事前相談という考え方を広めていく必要があり、準備の大切さを知ってもらうことが業者選びのミスマッチを減らす一歩になります。
まとめ
ペット火葬を考えるときは、どの業者を選ぶかを落ち着いて判断できる環境を整えることが大切です。訪問火葬と火葬場のどちらを選ぶか、遺骨を手元に残すかどうか、料金の案内が分かりやすいかなど、確認しておく内容は多くあります。問い合わせの段階で受け取る印象や、事前相談で得られる情報も判断材料になります。
ペットが元気なうちに、もしもの時に備えて流れを知っておくことで、急な状況でも落ち着いて選ぶことができます。火葬の方法や希望するお別れを整理しながら、自分たちに合った業者を選んでいく流れが、心や体の負担を小さくします。
どの選択肢を選ぶ場合でも、必要な情報が整理されて伝えられているかを確認しながら準備を進めることで、安心して送り出す環境が整います。静岡県でペット火葬を考えている場合は、無宗教でのお見送りを基本としているペットメモリアルドマーニも選択肢のひとつとしてお考えいただければ幸いです。ご協力いただいているご寺院があり、納骨や埋葬について相談できる環境も整えています。火葬について迷うことがあれば、事前の相談やお問い合わせもお待ちしております。



