
ペットちゃんとの暮らしの中で、「この子をどのように見送るか」まで具体的に考えているご家族様は多くありません。体調を崩して通院が続いていても、どこかで「きっともう少し一緒にいられるはずだ」と思いながら過ごしていることの方が自然だと思います。
それでも、お別れの時は訪れます。今までお別れの時はまだ先だと思っていたために「この先どうしたらいいのか」「どこにお願いすればいいのか」を急に考えなければならなくなります。
慌ててインターネットで「ペット火葬」と検索すると、立会火葬、一任火葬、一任埋葬、のような業者独自のプラン名が並んでいたかと思うと、個別火葬、合同火葬……と、見慣れない言葉がずらりと並びます。その中で「一任火葬」という言葉を目にしたとき、「人任せにしてしまうみたいで気になる」「きちんと送ってあげられるのだろうか」と、不安を覚えるご家族様も少なくありません。
一方で、看病やお仕事でご家族様ご自身が疲れ切っていたり、小さなお子さんやご高齢のご家族様がいたり、どうしてもお仕事の都合がつかなかったりして、「すべての場面に立ち会うのは正直むずかしい」と感じることもあります。それでも「この子を粗末に扱いたいわけではない」「きちんと個別に火葬してあげたい」という思いがあるからこそ、一任火葬という選択肢が気になってくるのではないでしょうか。
このコラムでは、一任火葬プランがどのような送り方なのか、どこまで任せて、どこを選べるのか、そして「任せる」という選択がどのような意味を持つのかを、静岡県で訪問ペット火葬を行う立場からお話ししていきます。
一任火葬プランとは
「立会火葬」と並んでよく目にするのが「一任火葬」という言葉です。
一任という響きから、「全部お任せしてしまう」「簡単に済ませるプランなのかな」と感じてしまうご家族様もいらっしゃいますが、ペットメモリアル ドマーニの一任火葬プランは、決してそうした意味合いのものではありません。
火葬そのものは立会火葬と同じ個別火葬です。お預かりしたペットちゃんだけを火葬し、お骨も一体ずつお戻しします。火葬炉や温度の管理、ペットちゃんのご遺体の扱い方に差をつけることはありません。
実際のところ、一任火葬プランと立会火葬プランの違いは、火葬が終わったあとのご収骨を「ご家族様ご自身で行うか」「私どもにお任せいただくか」という点だけです。火葬前の流れや、ペットちゃんに対する向き合い方に大きな違いはありません。
一任火葬プランであっても、骨袋(骨壺のカバー)のデザインは、最大8種類の中からお選びいただけます。「この子にはこの色が似あう気がする」といったお話をしながら決めていただく場面は、立会火葬と変わりません。

一任火葬プランのおおまかな流れ
ペットメモリアル ドマーニでは、基本的にはこちらがお伺いするまでのあいだに、ご家族様だけで十分なお別れをしていただくようお願いしています。いつものお部屋で、抱きしめたり撫でたりしながら、その子に合った言葉で送り出していただく時間です。
お約束の時間にご自宅やご指定の場所へお伺いし、簡単なご挨拶のあと、ペットちゃんのお体の状態を確認してお預かりします。集合住宅の場合や、近隣への配慮が必要な場合には、その場の状況を見ながら火葬車の駐車位置などもご相談させていただきます。
お別れが済んだところで、ご家族様にご遺体をお運びいただき、車両へとお見送りいただきます。「ここから先はお願いします」とひと言添えてくださる方もいれば、そっと頭を撫でて見送られる方もいらっしゃいます。どの形も、そのご家族様らしいお別れです。
その後は、お近くの空き地や、ご希望があればご自宅で個別火葬を行います。火葬中からご収骨までの工程は、ご家族様に代わって私どもがお引き受けします。火葬後は、丁寧にお骨壺へお納めしていきます。
ご収骨が終わりましたら、あらかじめ取り決めた時間と場所でお骨をお届けします。その際に、お骨の状態やご収骨の様子を簡単にお伝えし、骨壺カバーや骨袋、メモリアルグッズなどをお渡しして、一任火葬プランが一区切りとなります。
一任火葬プランが選ばれやすい場面

一任火葬プランをお選びになるご家族様には、それぞれに事情があります。
看病や通院が長く続き、ご家族様ご自身が心身ともに疲れ切ってしまっていることも少なくありません。最期の看取りまで全力で向き合ってこられたからこそ、「火葬の場面まで全部自分たちでやろうとしたら、もう体がもたない」と感じることもあります。そのようなときに、ご収骨までを任せることは、ご家族様の健康を守る意味でも大切な選択になります。
お仕事の都合で時間が取りづらい場合もあります。シフト制のお仕事で休みが合わせにくかったり、どうしても外せない予定が重なってしまったりすることもあるでしょう。立会火葬に必要な時間を捻出しようとすると、睡眠時間を極端に削らなければならないケースもあります。そうした状況の中でも、「個別火葬だけはしてあげたい」というお気持ちに応えられるのが、一任火葬プランです。
ご高齢のご家族様だけの世帯や、まだ小さなお子さんがいるご家庭では、火葬からご収骨までのあいだ、長くその場にとどまること自体が負担になる場合もあります。集合住宅にお住まいで、長時間の駐車や人の出入りが気になるというお話を伺うこともあります。生活環境を守りながら、その子には個別火葬を行うという折り合いをつけるために、一任火葬プランを選ばれるケースもあります。
「任せてしまって良いのか」という迷い

一任火葬をご相談いただくとき、「全部お任せしてしまって、本当に良いのでしょうか」「後から後悔しないでしょうか」といった声をいただくことがあります。
立会火葬は、ご家族様がご自身の目と手で見届け、最後にご収骨まで行う送り方です。一任火葬プランは、そのご収骨を含む火葬の工程を「信頼して託す」送り方だと言えます。どちらが優れているということではなく、その時点のご家族様の状況とお気持ちに合っているかどうかが何より大切です。
一任火葬を選んだからといって、愛情が足りないわけではありません。むしろ、ご自身の体調やお仕事、家族の生活などを踏まえたうえで「ここから先は任せた方が良い」と判断されることは、ご家族全体を守る行動でもあります。
ペットメモリアル ドマーニでは、一任火葬をご相談いただいたときに、無理に立会火葬をお勧めすることはありません。反対に、立会火葬をご希望の場合でも、状況を伺ったうえで、一任火葬プランの方がご家族様の負担が少ないと感じたときには、そのことを率直にお伝えすることもあります。どのプランをお選びになったとしても、「この子のために考えて決めた」と思っていただけることを大事にしています。
一任火葬でも「選べる部分」があること
一任火葬プランというと、「すべて決められていて、選べる部分はほとんどない」と思われがちですが、実際にはご家族様に選んでいただく場面もいくつかあります。
先ほど触れたように、骨壺カバーや骨袋のデザインはお選びいただけます。色は、その子を象徴するものをお選びいただくことが多く、「やっぱりこの色がいちばん似合っているね」とお話しになるご家族様もいらっしゃいます。
また、一任火葬プランであっても、ご自宅でのご火葬を希望されるご家族様もいます。その場合は「ご収骨はお任せするけれど、少し離れたところから様子だけ見ていたい」という形をとることもあります。ご家族様がどこまで関わりたいかによって、距離感を調整できるのも一任火葬プランのひとつの特徴です。
火葬前には「ご収骨までは自分たちでは難しいと思う」と一任火葬プランを選ばれていても、いざご収骨の段階になってから「やっぱり自分たちの手で拾ってあげたい」と気持ちが変わるご家族様もいらっしゃいます。その場合は、その場でご相談いただき、ご家族様にご収骨をしていただく形に切り替えます。ご家族様にお骨を拾っていただく時点で、プランは立会火葬プランへの変更として承ります。ご費用の違いについても、その場であらためてご説明したうえで進めていきます。
事前に決めていたプランに縛られるのではなく、そのときのお気持ちに合わせて、プランを選び直していただいております。

ペットメモリアル ドマーニが一任火葬で大切にしていること
ペットメモリアル ドマーニでは、立会火葬と一任火葬で、火葬そのものの扱い方に違いをつけることはしていません。使う火葬炉も同じで、火葬前のお声掛けや、お体をお納めするときの所作も変えません。一任火葬だからといって同時に複数のペットちゃんを火葬したりすることはありません。あくまで個別火葬として、一体ずつお見送りしています。
ご収骨についても、「もしご家族様が隣で見ておられたら、ここを見てほしいだろうな」という意識を持ちながら進めています。ご収骨では、頭や背骨、足、しっぽなどを確認しながら、一つひとつのお骨をお骨壺へお納めしていきます。大きさにかかわらず、最後までできるだけ拾い上げることを心がけています。
また、一任火葬プランだからこそ、事前のご説明と、お骨をお渡しする場面を大事にしています。事前には、所要時間の目安をご説明し、事後にはお骨の状態や等のお話を簡単にさせていただき、ご家族様が見ておられなかった時間を、少しでも想像しやすくなるよう心がけています。
また、ご家族様の中には、闘病中のことや、急にお亡くなりになった時のことを少し話したい、と感じておられる方もいらっしゃいます。ペットちゃんのことを胸の内にしまい込んだままだと、あとからつらく思い返してしまう場合もありますので、そうしたお気持ちが伝わってきたときには、こちらから軽くお声掛けをして、お話を伺う時間を持つようにしています。少しだけでも言葉にしていただくことで、お別れの場面が「悲しいだけの時間」ではなく、「ここまでのことを振り返る時間」になっていけばと考えています。
任せることを選ぶご家族様へ
一任火葬プランは、立会火葬に比べると、ご家族様がその場で過ごす時間は短くなります。その一方で、ご家族様の体力やお仕事、住環境などを考えたときに、「ここから先は任せる方が良い」という状況は確かにあります。
任せることを選ぶのは、決して「簡単に済ませる」ことではありません。静岡県牧之原市や吉田町、御前崎市、など、行政でのペット火葬がない地域にお住まいのご家族様にとって、限られた選択肢の中から最善を探すひとつの答えでもあります。
静岡県の訪問ペット火葬 ペットメモリアル ドマーニでは、立会火葬か一任火葬かを決める前の段階から、ご家族様のお話を伺いながら一緒に考えていきたいと考えております。一任火葬プランが合っているかどうか迷われたときには、「こういう事情なのですが、どうしたらいいでしょう」といったところからで構いません。ペットちゃんとご家族様にとって、無理のないお別れを一緒に探していければと考えています。



