
行政のペット火葬場がない牧之原市
牧之原市には、犬や猫などのペットちゃんを火葬できる行政施設がありません。行政としてペットちゃんの火葬を依頼する仕組みがなく、亡くなった際は近隣市町の火葬場へ連れて行くか、市外の民間業者に運搬して火葬してもらうか、市外の訪問火葬業者にお願いするしか選択肢がありませんでした。とくに高齢のご家族や車の運転が難しい家庭では、市外への移動が大きな負担となり、落ち着いて送り出すことが難しい状況が続いていました。
市内に業者がいなかった背景には「ペット霊園条例」がある

2022年に私がペットメモリアル ドマーニを始めるまで、牧之原市には民間のペット火葬業者が存在していませんでした。需要がなかったからではなく、もう一つ理由があります。相良町時代から続いている「ペット霊園条例」の存在です。
この条例は、固定された火葬炉や納骨施設といった「土地に設置する霊園」を前提に作られており、火葬炉を置く土地は所有地であること、隣接した土地の所有者の同意が必要であること、住宅や学校・公園などから200メートル以上離れていることなど、非常に厳しい条件が定められています。公衆衛生や住民の安心を守る目的がありますが、固定式の火葬場を市内につくることがほぼ不可能に近い内容になっています。
移動火葬炉は条例の対象外
牧之原市のペット霊園条例が対象としているのは、あくまで「土地に据え置いた火葬炉」や納骨施設です。車両に火葬炉を搭載した移動火葬炉は土地を占有せず、固定設備に該当しないため、この条例には抵触しません。訪問火葬は、法律上も行政上も問題なく行うことができ、市内で完結した見送りが可能です。
固定式の施設が作りづらい地域であることを考えると、移動火葬炉を使った訪問火葬が牧之原市の事情に合っていたと言えます。
過疎が進む地域で移動の負担が大きかった
牧之原市には海沿いから山間まで広い範囲に集落が点在し、過疎が進んでいる町でもあります。車を運転できないご高齢者だけの家庭では、市外への移動が難しい場合も多く、ペットちゃんが亡くなった直後に遠方の火葬場へ連れて行くのは大きな負担でした。
そのため、「市内で済ませたい」「できれば移動したくない」という人は多く、そのなかでもペットは家族となった現在、自宅で送りたいという希望は自然な流れだったと感じています。
自宅で送りたいという声が多かった理由
ペットちゃんが過ごしてきた場所でゆっくり時間を取りたい、最後まで家族のそばに置いてあげたいという気持ちはとても自然なものです。市外の施設へ行くために準備や移動の時間を使うよりも、自宅で落ち着いて過ごせるほうが、ご家族にとって負担が少ないという声が多くあります。
訪問火葬は移動の負担がなく、ご家族のペースでお別れができるため、現代の生活環境に合った方法です。
ドマーニを牧之原市で始めた理由
牧之原市にはペットちゃんの行政での火葬施設がなく、条例の関係で固定式火葬場をつくることも難しい状況があります。その中で、ご家族が安心して相談できる場所が必要だと考え、2022年に牧之原市でペットメモリアル ドマーニを開業しました。
訪問火葬であれば市内で完結し、条例にも抵触しません。火葬車には飾りを付けず清潔感を重視し、無宗教のお見送りを基本としながら、ご家族が落ち着いて最後の時間を過ごせるようにしています。
火葬当日の流れ
訪問火葬は、ご自宅の前や近くの空き地などで行います。火葬車はキャラバンのハイルーフで、ロングボディの車両を使用しています。そのため、狭い路地など、物理的に進入できないご家庭もあります。安全に駐車できる場所があれば、ご自宅前でなくても対応可能です。
到着後に車の位置を確認し、お別れの時間を取り、その後に個別火葬を行います。収骨と返骨までをその場で行うため、自宅から動かずに見送りが完結します。
もちろん、お預かりしてお骨にしてお返しするプランなどもあります。
条例と地域のこれから
相良町時代から続くペット霊園条例は、当時の生活環境を前提に作られたものです。しかし現在はペットちゃんを家族として迎える家庭が増え、見送り方も多様化しています。市内に選択肢が少ない状況を考えると、今後は地域の実情に合わせて見直しが必要な時期に来ていると感じます。
ご相談を考えているご家族へ
牧之原市は行政火葬がなく、固定式火葬場も条例の関係で作りづらい地域です。大切な家族との最期の時間を自宅で落ち着いて過ごしたいと感じたときは、お気持ちが整理できていなくても構いませんので、お気兼ねなくご相談ください。



