暦の上では春を迎えたわけですが、まだまだ寒い日が続き、この時期は多くのお別れに立ち会うことになります。ご家族様の涙を見るたびに、ペットロスのことが頭をよぎり、考えを巡らせるきっかけになります。

ペットロスは、誰にでも起こりうる、とても自然な感情です。特別に心が弱いからでも、立ち直りが遅いからでもありません。大切な存在と、真剣に向き合い、同じ時間を生きてきたからこそ、生まれるごく自然なものだと思っています。

「早く元気にならなければ」「前を向かなければ」と自分に言い聞かせる人もいるかもしれません。けれど、悲しみは無理に克服するものではありません。押し込めたり、見ないふりをしたりしても、形を変えて心の奥に残り続けます。

何かで気を紛らわせることはできます。仕事に没頭したり、新しいことに挑戦したり、忙しく過ごしたり。その時間は、確かに一瞬、心を軽くしてくれるかもしれません。けれど、情熱を燃やしている最中であっても、ふとした瞬間に、胸の奥がきゅっと締めつけられることがあります。

それは、忘れられないからではありません。忘れなくていい存在だからです。

泣きたいときには、泣いた方がいい。悲しめるときには、きちんと悲しんだ方がいい。涙は弱さではなく、心がちゃんと動いている証だと思います。無理に気丈に振る舞うよりも、今の気持ちを、そのまま認めてあげることが大切です。

悲しみに寄り添うというのは、無理に明るくなることでも、強くならなければいけないと自分に言い聞かせることでもありません。悲しみと一緒に生きていく、という選択なのだと思います。

時間は、すぐに答えをくれるわけではありません。今日より明日が、必ず楽になるとも限りません。それでも、ゆっくりと、少しずつ、悲しみは形を変えながら、心の中に落ち着いていきます。

完全に消えることはないかもしれません。思い出すたびに、胸が苦しくなる日もあるでしょう。けれど、その痛みは、いつまでも同じ形のままではありません。悲しみは、時間とともに少しずつ角が取れ、やがてその人の中で「思い出」と呼べるものへと変わっていきます。

あの子のしぐさ。一緒に過ごした何気ない日常。眠っている姿や、こちらを見つめる目。そうした記憶が、ただ苦しいものではなく、あたたかさを伴って思い出せるようになったとき、悲しみは確かに姿を変えて「思い出」として心に残るのだと思います。

私は、ペットメモリアル ドマーニ、イタリア語で「明日」という名前に、「辛い今日より明日が、ほんの少しでもいいものになるように」そんな願いを込めました。

今はまだ、悲しみの中にいるかもしれません。明日のことなんて考えられない日もあるでしょう。それでも、今日より明日を無理に良くしなくていい。ただ、今日を生きることができれば、それでいいのだと思います。

そして、いつか、涙が少し落ち着いたとき、心の中で言える日が来るかもしれません。

「ありがとう」

一緒にいてくれてありがとう。そばにいてくれてありがとう。出会ってくれて、ありがとう。

その一言は、悲しみの終わりではありません。悲しみが思い出へと変わり、大切な存在との関係が、形を変えて続いていく、その静かな始まりなのだと思います。

焦らなくていい。あなたの歩幅でいい。悲しみに寄り添いながら、今日より明日へ、ゆっくりと進んでいけばいいのです。

ペットメモリアル ドマーニは、静岡県牧之原市を拠点に訪問ペット火葬を行っております。お別れのときに「ありがとう」と伝えられるよう、その日までの時間をどう過ごすかという歩みも含めて、これからもコラムを通じてお届けしていきたいと考えております。よろしければ、他のコラムもお読みいただければ幸いです。

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